Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

普通山村に入ってよく見かける実例は、今日では石油を襤褸に浸していぶすものであるが、以前は竹の串に髪の毛を少し綰ねて挾み、その片端を焦がしたもの、あるいは野猪の生皮を一寸角ばかりに切って、これもちょっと焼いて竹のさきに挾んだものなどを立てる。猪は同類の皮の焼ける香だから、ことに気味悪く感じて遁げ去るものと解していたようである。

もしこの説のように、嗅がすものだからカガシという名が出来たとすると、いわゆる山田の案山子の蓑着て笠着てただつっ立っているものを、カガシと呼ぶのは誤りということになるわけだが、それは誠に致し方がない。前はこういう一種の駆除法だけの名であったものでも、良い名でありまた人が元の意味を考えなくなると、広く鳥獣害防止法の全体の名にもなり、またその中でも最も目につき易い人形の名ともなることは不思議でない。それでは当っておらぬと気にかけて、カガシは鹿逃がしの略語だなどと言って見たところでやっぱり「鹿逃がし」で鴉を追うのはどういうわけだということになる。言海にはカガシとは嚇すことだとあるが、果たしてそういう日本語があったかどうか。そんなむつかしい解はしないでよかりそうに思う。