Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
三河や信州のソメも元はまたそうであったのが、後にはただ案山子の人形ばかりをいうようになった土地も出来たものかと思う。山田山畑を荒らしに来るものの種類が変って来るに伴のうて、これに対する防禦策も、追々に改まるのは当然である。近来は一般に鹿や猪のような大きな動物は少なくなり鳥類の害ばかり烈しくなったようだが、鳥には野獣のような嗅覚の鋭敏さはないらしい。里近くになると多くは鳴子を引き、石油罐をたたき、またこの人形のカガシのみを立てている。だから今日の開けた土地ばかりの状況を以て、以前を推すことも出来ぬのである。
自分は今から二十四五年前に、福井県の西ノ谷から岐阜県の根尾谷へ越えて見たことがあるが、その時山の中のわずかな畠地で、珍しく複雑な鳥獣予防の設備を見たことがある。まず畑のまわりには繩を引廻らして、これに紙のシデがそちこちに垂れてあり、竹の棒も幾本か立ててあって、これにも布片を下げ、またかの焼きかがしを設けている。畑の中には処々に一尺ばかりの石を転がし、それに石灰を水に溶いたものが流しかけてあるのは、兎を驚かすためだといい、杉の小枝の赤く枯れたのを斜めにぶらさげたのは、鼬の形に似せて鳥を追うためだといっていた。