Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

話は庚申の晩

奥羽地方でも人の家の入口などに、杙を打って同じような馬の首を、幾つか掛けておく風があったことが、今はどうか知らぬが、以前の紀行文には見えている。東京近くの村里の中にも、今ある庚申の石像をよく見ると、額の正面に馬の頭を付けたものが幾つかあり、一方にはまた馬頭観音の像だといって、石の表に彫刻してあるものには、非常に庚申の青面金剛像と、よく似たものが見られるのである。

庚申の信仰は中国から来たものだと、学者だけは昔からそう言っているが、双方の形はいろいろの点でちがっていて、同じなのは名前ばかりと言ってもよいように思われる。そうしてまた仏教とも思えない、こちらだけの特徴もあるのである。馬の頭を切って祭をするなどといくことは、もちろん日本の神道の外であるが、北アジアの民族の中には、そういうことをする者があり、また我国でも少しずつそんな痕跡がある。いつか知らぬうちにそんな習わしが、我国へも入って来ていたのかも知れない。少なくとも馬頭神のもとの形と、庚申像との間には何等かの関係があり、そうしてまた二つとも、子供とは直接の因縁がなかったようである。

話は庚申の晩

わずか三十年か四十年の前まで、庚申の夜の集まりは大きな行事であった。