Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
東北地方も端々の方へ行くと、この大師は女性だという人さえある。デイシコは夫がなく、二十三人の子供があった。この日こしらえて上げる粥や団子の膳には、長い二本のちんば箸と、もう一本の杖というのと、必ず三本添えることになっているのだが、これもあんまり児の数が多いので、一々傍へ寄って食べさせることが出来ず、それでこのような長い箸が入用なのだという説明がついている。あるいはまた大師は子供が多いので家が貧しく、二十三日の粥に入れる塩がなく、それを買いに出て途中で吹雪に遭って倒れた。そういう由来によって今でもこの日の粥だけは塩を入れないという者もある。
大師講の日には何処でも粥を煮て供え、それに塩を入れないことは事実であるが、他の土地ではまた貧家の女が、旅の弘法大師にこの粥をさし上げたときに、どうして塩を入れないのかとわけを問われて、塩も買えぬような貧乏なのですというと、それは困るだろうと杖のさきを以て地面を刺し、塩水の湧き出す泉を授けられた。その記念のために粥に塩を入れないのだと説明している者もあるのである。こんな珍しい幾つかの話が、そこにもここにもよく記憶せられているのを見れば、この十一月二十三日から二十四日にかけての一夜も、やはり人が睡らずに睡気の醒めるような話を、頻りにする晩であったことが想像せられ、いかにも