Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
それが今もある名水で、一名を杖立清水といっているというのも多い。
あるいはその近所に不親切な女があって、旅人が水を求めると、そこの洗濯盥の水でも飲めといった。それでその家の井戸は今でもきたない泥水だというような、裏の話のついているのもある。四国の一部では、その旅僧が最明寺時頼だったという話になっているが、女が茶碗の縁を少し打ち欠いて、ここは私が口をつけたところですから、他のところから飲んで下さいと言ったので、これもその謹しみ深い行いが大いに賞せられた。沖繩の島などは、最明寺も弘法大師もまわって行かぬ離れ島だが、やはりこれと全く同じ話があって、これは神様が姿をかえて、人の心を試みられたもののようにいっている。
わずか水を一杯というような小さなもてなしでも、志の深い者は神のお恵みを受けるという教訓であったろうと思うが、これと同じ話はまだいろいろある。たとえば女が川に出て大根を洗っている処へ、やはり見すぼらしい旅僧が来て大根を一本くれよという。この川には水がないのでまだ洗えませんとうそをつくと、そうかといって去ってしまったが、それから以来大根を洗う頃になれば、川にはきっと水がなくなるという大根川という流れが、九州などには十数ヵ処もある。