Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
実際は霜月三夜の晩に、村をまわってあるくと信じられていた神または尊霊を、大師と呼んだわけが判らなくなったからと、見るより他はないのである。
信州の犀川流域などは一般に、物の高低長短があることを山の神といい、その根本には山の神が片足神であるという俗信がまだ残っているらしい。現在は片足神がすでにちんばとなり、それ故にまたこの日の膳に長短の箸を上げ、さらに長いものをもう一本、杖として添えるのだなどといっている処も方々にあるようだが、最初はただ我々の山の神が一本足で山を降り昇りせられるものと、単純に信じ得た時代もあったのだが、追々とそんな事は信じにくく、古い話を少しずつ改造しなければならぬようになったのではあるまいか。私などの聴いているだけでも、今でも山中にそうした形をした霊物が住むという話が怪談のようになって各地に保存せられている。
たとえば紀州の山奥で一本ダタラまたは雪入道などというものは、雪の上に大きな距離をおいて、円い筒のような足跡を留めたのを見るといい、土佐の寺川郷で昔ある人が目撃したという山爺なども、ただ一本の足でぴょんぴょんと跳ねあるいて来たなどと、眼の迷いかは知らぬがとにかくにこういう隔絶した一致がある。