Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
ではないかと思われる。古い書物を見てもまた字引を引いても、イワウという語には人のために喜ぶというような意味はない。むしろ彼も我も共同して、神を祭るというようなある一つの厳粛なる機会に臨む心構えがイワウであり、今の言葉で言えば精進とか、潔斎とかいうのがそれに近かった。然るにいつの頃よりか、それはイマウとかイモウとか言い分けて、こちらはただ他人の喜悦に共鳴するような場合に使うことになったのは、かなり大きな変化と言わなければならぬ。
餅を今でもイワイという処が多いのは、イワイの食物という略でもあろうが、事によると特にある人の前にすえられたのが大きかったので、イワイはその人のために言い現わすべき感情だと、解するようになったのかもしれない。誕生とか初節供とか、または老人の年祝とか、餅がある一人のために特に大きかった場合は多い。もとはそういう日も一同のイワイだったのが、後にはその空気の外から遣って来て、やたらにオメデトウという者が多く、結局は祝祭日などと言っても、何が祝いなのやら、判らなくなってしまったのである。
メデタイという言葉も濫用せられている。本来は好ましいまたは結構な、人が共同してイワイをしている静かな和やかな状態を、互いに評し合う形容詞だったのが、社交に用いられて甚だ空々しくなった。