Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
江見水蔭
書けなくなればどこにいても書けない。
江見水蔭
風変りな書斎の話といえば、江見水蔭氏が、やはり、そうだ。硯友社の最後をかざる豪放な作家で、胸のすくような快男児であった。はじめて会ったのが大正の初めで、それから、ずうっと、氏が亡くなるまで、交渉が続いた。
品川の町はずれ。小倉山の稲荷さまのうしろを回って、門を一足はいると、石器土器の山だった。
書斎には、石斧、ハニワ、石鏃、首飾りなど、弥生式もあれば、縄文式もある。こういう書斎は、ほかに類がない。
「相変らず集めてますな」
と、水を向けると、骨太の手で、頬のあたりを、さすりながら、
「忙しいので遠出は駄目です。一日か二日で行かれる近郊ばかり……」
大きな頭。くぼんだ眼。広い額に知性を見せて、気のおけない笑いをとばす。
「はじめは、執筆に疲れると、息抜きとして出かけたのですが、今では、かえって疲れます。下ばかり見て歩くので、スリみたいな眼つきになって……」
それにしても五十年前の東京は、近郊に、いくらも石器がころがっていた。
「田舎の人が、だんだん、こすっからくなって、何でも金にしようとするので困ります」
それから、発掘の苦心談になり、香炉型の土偶の首を持ち出して、