Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
三馬鹿の記(一)
ただし、ケチで、そうしているのではない証拠には、毎朝、銀座の千疋屋へ寄って、季節にかかわらず、飛切り上等のリンゴを一個だけ買った。新聞紙の包みをガサガサとあけて、食後にたべる一個のリンゴが、諸君たちのランチより三倍も高いのを知って、編集局の同人たちはキモをつぶした。私の、ささやかなレジスタンスである。
私は、たべものは原地主義がよく、料理は原料主義を理想と心得ている。温室のメロンより、背戸の真桑瓜がよく、舶来のドリアンより玉川から小母さんの背負ってくる長十郎の方が口に合う。
戦国の昔。都に討ち入った織田信長や木曽義仲は、味覚の野蛮さを、大宮人に笑われたが、私はむしろ、義仲や信長に好感を持つ。有能な人材を作るには、頭よりも胃をよくすることだ。うんと食って長生きすると、人の三倍、仕事が出来る。
三馬鹿の記(一)
親の自慢と女房の自慢と、そして子供の自慢をするのを、天下の三馬鹿というそうだ。今日は、あえて三馬鹿の一人になってみよう。
私は子供運がよかったとは言えない。若い人の言葉でいえば、ワン・ストライク。スリーボール。つまり男一人女三人の子持ちであった。