Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
そういう中から何か因縁があって、ほんの一部分だけが消え残ったために、今のように珍しい分布状態を示すのかと私は思っている。
いわゆる天人女房の昔話などは、元は神秘な大切な言伝えであったろうと思われるにもかかわらず、その破綻と終局とは、いかにも不真面目に笑話化する風が、もうよほど早くから始まっていた。前に「竹取翁考」の中でも注意をしたことがあるが、奄美大島の最も外部と交通の少ない地域にも、おかしい位この天草の話とよく似た話があった。むかし一人の翁が、クロという犬を飼っていた。ある夜山中の池のほとりに音楽の声を聴いて、往って見ると天女が水を浴びていた。これも飛衣を取匿してその天女を妻とし、三人の児を設けて後に子守唄によって飛衣の在りかが知られたという迄は他と同じく、天に還って行く時に二番目の児は頭に載せ、末の児は手を引いて行こうとしたが、重いのでこの子だけは後に残したといっている。
父の翁はこれを知って愛慕の情に堪えず、急いで千足の草履をこしらえて、それを踏んで天に昇って行こうとしたが、千足と思った草履は九百九十九足で、たった一足だけ足りない。そうすると飼犬の黒が進み出て、私がその草履の代りになりましょうというので、翁はその九百九十九足の草履と一匹の犬とに乗って、天界に昇って行った。