Japanische Klassiker mit Furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme
新嘗は我国でことに大きな重い祭であった。詳しいことは私にも判らぬけれども、稲の収穫がすっかり終って後に、家を清め身を清めてその穀物を調理し、夕御饌と朝御饌と、両度の御膳を神にさし上げる祭のように聴いている。現在は太陽暦で十一月の二十三日にその祭を行うことに定められているが、以前はもっと遅く、冬もよっぽど寒くなってからの祭であって、多分は北半球では太陽が南の端まで下り、これから少しずつ北へ還って来るという、冬至の前後の事であったかと思う。
中国でも早くから冬至を大切な祭の日にしているが、西洋でも今クリスマスといっている日が、基督教よりももっと古いものだそうで、暦の数学がまだそう精確でなかった時代に、強いていろいろと理窟を付けて、これをキリストという神の子の生まれた日にしたという話である。花咲き鳥の鳴く春という嬉しい季節が、これから出発して帰って来るという時である故に、それを力強いまた恵み深い神の御子の、誕生の日のように想像したのは、子供らしい大昔の人としては自然なことであった。強いてある一人の賢い者が、教えて広めたと見る必要はないのである。
天つ神というだけでは、まだ我々にははっきりとせぬようであるが、日本でもこの若々しく伸びて行く春の陽気を、新たに誕生なされた御子神と、考えることが出来たのかも知れない