Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

これも笠地蔵といって路傍の立石と、関係のある昔話だから、ついでにざっと話をして見るが、誰でも知っているのは、野中の六地蔵が雪霙に濡れてござるのを、心の善い老人が見てお気の毒に思い、市へ売りに出て売れなかった笠を、六体の石地蔵に着せ申して還って来る。そうするとその夜中に、家の外へ重い橇を曳いて来た音がして、何かどしんと戸の口へ卸して行く。出て見たところが山のような金銀米俵で、それを持って来た六人の地蔵の後ろ姿が、雪あかりに見えたというような話もあった。

土地によっては少しずつのちがいがあるが、岩手県の紫波郡ではこれを七人地蔵といって話している。地蔵の七人は少し変だと思うが、他の部分はたいてい同じことで、双方共に大晦日の晩、明くれば元旦のめでたい出来事として語られるのであった。奥州の方には、これと半分似通うた七人山伏という話もあった。やはり路の傍で山伏が吹雪で難儀をしているのを見て、うちへ連れて来たというのもあり、またはそういう晩に七人の山伏が戸を敲いて泊めてくれといって来たともあって、日は同じように除夜の晩であった。貧乏で何一つ食べさせる物もないが、せめて大火を焚いてあたらせると、七人は蓙を頭から被って炉のはたで睡ってしまい、夜が明けて元日の朝日がさし込むのにまだ起きようともしなかった。