Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ねんじゅうぎょうじおぼえがき

年中行事覚書

柳田 国男

Lesen Sie 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 135.005 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

それを窺い知る手掛りも全くないというわけではない。ただ今までこんな事に気をとめぬ人が多かっただけである。

私などのいま心づいているのは、第一には神のお立ちとお還りの日に、きまって高い大きな風が吹くということ、これがいわゆる神無月の始めと終りとに限らず、霜月二十三夜の大師講吹きがあることは、前に述べた通りであり、さらに旧十二月に入っても八日吹きがある。北は秋田県の横手附近から、日本海岸はずっと南の方まで、佐渡の島にも飛騨の白川村あたりにも、海辺も山奥も一様に、これを来年お作柄のよい知らせのように、思っている処は少なくない。

一つの珍しい話は、針千本という一種の小さい河豚が、この日の風に吹かれて数多く浜に上って来る。それが目立った自然の現象であるためか、これを拾って来て魔よけにしたり、またいろいろとその由来を説く昔話を語り伝えたりしている。そうしてこの八日の節日を針千本、または針歳暮とさえいっている人がある。それでなくても全国を通して、この日は仕事をせずに休む日だったのだが、そういう中でもことに針を使うことを忌みきらい、針供養と称して針を豆腐とかこんにゃくとかいう軟らかいものにさして一日休ませ、または折れた針はためておいてこの日川に流し、縫い物をする女の子の集まる所などでは、焼いた餅を供えて小さな祭をしてい