Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
大体からいうと、主になるトリックを考えつくと、副になるトリックは、自然に生まれてくる場合が多い。その筋立てを追ってゆくのに、前にも一度書いたように、鼻唄まじりで楽しくやってゆくか、深刻無比な顔をして髪をかきむしって、書いてゆくかである。ただし、トリックの巧拙は、これはその人の天分にあるようだ。
私は、自慢ではないが、子供の時から、数学だけは、ほめられて来た。決して秀才でも優等生でもなかったのが、一高の入学試験にパス出来て、みんながキモをつぶしたというのも、数学がほとんど満点だったせいではないかと思う。威張っているように取られては困るが、数学で零点をとるような頭では、捕物小説は、書いてもらいたくないと思っている。
さて、捕物帳のむずかしさは、むしろ性格の設定の方である。トリックは、同じトリックを二度使うわけにゆかないし、誰だって、二度使おうとは思わないだろう。ところが、登場人物の方は、よほど自分にいいきかせないと、似たような性格が何回でも出てくる恐れがある。もちろん、平次とお静と八五郎は如何なる場合でも顔を出す。それだけに、事件をひき起こす側の人間は、百回書けば、百回違うのが理想である。