Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
最初は、仕事の必要から集めた。しかし、集めはじめると、夢中になるのが私の癖である。コレクションというものは、盲目的の恋愛か、あるいは熱病の一種だと思う。何が何でも、完全な収集を作りたいと願ったが、結局望みの半分にも達しない。元禄以前のものになると、これはもう、容易なことではそろわない。
武鑑のコレクションでは、森鴎外博士のものが有名で、これはたしか、東大図書館に納まっているはずだ。
博士が、武鑑を集めているうちに「渋江」という蔵書印のあるものを発見し、それに興味を持って、渋江家のことを調べ、あの名作『渋江抽斎』が書かれたことは有名である。
蔵書印といえば、私は今までに四個をつくらせた。ほかに、ひとさまから戴いたのもあるが、いただきものは、ともかくとして、自分で作ったのは、どれも気に入らない。相当に考えて作ったにもかかわらず、物さびた美しい和本などには、どうしても捺す気になれないのだ。大いに考えて、凝りに凝ったものほど、出来上ってみると、どうも落ちつかない。
ところが、ある年、北上川畔の生家へ行った時、土蔵の二階の古い用ダンスをかき回していると、亡き父親の蔵書印を見つけたのである。