Japanische Klassiker mit Furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme
私が小心だったのではない。ほとんどの新聞人がそうだった。良心に忠実なためでもあるが、わずかばかりの物をもらって、一生を棒に振るなんぞは、損得の上から考えても、ソロバンに乗る仕事でない。
その頃、私は目白に住んでいた。女房が、日本女子大学に勤めていた関係で、あの高台にいたのだが、近くに役人の家があった。盆暮になると、小風呂敷を抱えた客で、列を作っているのをみて、キモをつぶしたことがある。
昔から、少しでも自負心のある記者は、劇評を書くにも、招待キップは使わなかった。世の中に、一流新聞の記者ほど役得のないものはなく、名のある新聞の記者ほど清廉なものはない。銭形平次と八五郎を、社会部長と記者のようだという人が、そこまで見ていてくれるなら、これは、まことにありがたい。
新聞と新聞記者が健康的なのは、国のためにも社会のためにも、こんな結構なことはない。と言っても、昔から、世間が、そう思っていたわけでない。今だからはっきりいってもよかろうが、ニックネイムを「井の角」といった政友会の井上角五郎代議士が、何かの会に朝野の名士を招待した時、
「新聞屋は飲ましさえすればよかろう。