Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Lesen Sie 胡堂百話 (こどうひゃくわ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.386 Zeichen · 248 Bildschirme

Aozora Bunko

この絵は、今は、手元にない。誰かに、やってしまったが、私は、あの時のことを思い出すと、今でも、おかしさがこみ上げてきて、たまらない。

私は、まず、文献による広重研究に没頭した。浮世絵雑誌のバック・ナンバーは、力の及ぶ限り集め、日本はもちろん、外国の図録、カタログ、研究書の類を無茶苦茶に、かき集めた。私は決して学者でないし、そんなポーズは大嫌いだが、実際にコレクションする上に必要な知識は、十年の間に、どうやら吸収したつもりである。

私が、物を買う時の癖は、決して値切らないことである。高いと思えば、買わないだけのことである。それが分れば、商人は、案外正直なものである。太平洋戦争の初期に急死した浮世絵商の松本喜八郎氏など、名品が出れば、一度は必ず見せに来てくれた。長い間には、一人や二人は、信頼を裏切った商人もあるが、一度そういうことがあれば、二度と相手にしないだけである。

金二円也から出発した私の広重は、やがて二十円になり、二百円になり、戦後は一枚が数十万円の高値を呼んで、到底、日本人の手におえなくなった。ボストン博物館などは、質も量も大したもので、保存方法も完備しているそうだ。