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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
それまではマア、ゆっくり休んでいることです。一粒ハリバの話したら、「うちはまだマーガリンではないバタをたくさんたべているのだからよかろう」と云って居りました。「痛くてホームシックになって、すこし泣いたかい?」ときいたら、「ちっともそんなことはない」って、十八のとき広島へタイプの稽古に行っていたときは、夜よく家が恋しくて泣いたそうですが。
大体この頃気候がわるいのね、寿江子はすこし調子わるくて、十時就寝励行(!)の由です。やっと、早ねの効験がわかったか、と私は大威張りです、はじめの頃、私が夕飯すむと、もう何となし寝る時間を気にしてそわそわしていたのを、寿江子は大分嘲弄いたしましたからね。「結局眠るということが大切だ」と云うから、「そうやって、お前の生意気が段々なくなっておめでたい」と、これも大笑いでした。
前の手紙に一寸かいたし、おめにかかって云っていたように今度は大車輪を、私としてはうまくしのぎました、もうこれで、これからやります。昼間を私は好きだしつかえるのに、昼間を十分いかさない法はないし。私の徹夜廃業が、この間うちの条件で実行されたのはやはり、徹夜廃業が身についたのね。