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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

八月八日

そして、やっぱり内科のお医者がそうだろうと思ういろんな条件もないのですもの、例えば私は胃腸がいい体ですし、新陳代謝もいい方です。そんなことだってやっぱり独自な条件ですもの。

この眼、この左の眼、これがちゃんと調整されれば、そして疲れやすめしたら、もう大丈夫です。眼からの苦しさと、今ははっきりわかりました。

さわいで御免なさい。でも、自分としては小さくさわいだつもりだったのよ。

河出の本のために作品をうつす仕事、きのうときょう二人の若い女のひとにたのみました。一人のひとは洋画をやろうとしている、大変素質のよさそうな二十一の娘さんで、絵の具を買う金を働こうとしているの、ですから、私のこまこました仕事ずっとあればその人にとってもいいわけですが。

きょうはもうこれでおやめね、なるたけ疲れさせない方がいいと思うから。右の眼は底まですーと自然な感じで、左の眼だけ変に意識されています、それが曲者よ。

眼鏡をとった私の顔はどう見えて?

八月八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 神奈川県国府津町前羽村字前川より(芦ノ湖及び元箱根風景(※(ローマ数字1、1-13-21))、宮ノ下全景(※(ローマ数字2、1-13-22))、湯本温泉全景(※(ローマ数字3、1-13-23))、玉垂の滝(※(ローマ数字4、1-13-24))、箱根神社の森(※(