轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
八月十日
うちは、芝生が出来たのがちがいです。今はあのソファーによく泰子が手足をのばして眠って居ます。こうやって皆とここにいると、日頃と全くちがった空気です。子供二人はちがいますね。おばちゃんになるのも休みの一つのようです。
(※(ローマ数字6、1-13-26))きのうきょうのうち何にも急な用事はおありにならなかったでしょうか。字をかくとまだすこし頭がしまるようです。でも、只いれば大分まし。字をかいてもこの頭がしまって来る気分がないようにならなくては本物でありませんね。あの位ひどくなった揚句、三四日で直そうというのは虫がよすぎるのでしょうか。目のまわるのはすっかり直りましたからいいけれど。明日はおめにかかります。きょうは一日くもりでしょう。あした雨だと草履で困りますね。
八月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(「鴨緑江流筏」の写真絵はがき)〕
八月十日、これは随分美しいでしょう、悠々たり千里の江ね。北京の坂井徳三さんが送ってくれた一組の一枚です。まだほかにも面白いのがあります。追々御目にかけましょう。ヴォルガを下った夏の終りのことを思い出します。けれども、この河の水のきらめきがつたえる生活の響はやはりちがうことを感じさせます。