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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

七月二十一日

池袋から上野へ直通の市電はなくなって、仲町でのりかえ、それが又混むのこまないの。電話かけておいて目白までかえりそうです。「タカちゃん、ごはんとおみおつけだけあるようにしておいてネ」とたのんでね。

では、これでおしまい。又明日おめにかかります。あしたはどんな花が咲くでしょう、朝顔ばかりが朝咲く花ではないそうな。うちの萩は咲くのかしら、せいは高いのよ、たかちゃんが油カスやって迚も迚も高いのよ。風にふらふらとしてそのときはすこし気味わるい。

七月二十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

又、前便かきおとしの記録のことだけを。

五月二十四五日ごろ支払いの分。

一、速記料 十一月二十一日分

六六・〇〇

十二月  二日分

一、同   五月八日請求(四月十八日の分)三四・〇〇

一、加藤、西村公判調書 七八六枚四七・一六(一枚六銭)

一、西村マリ記録  三部三一・五〇

一、証拠物写シ 五組  四三・二〇

計    二一一・八六

これが、五月に支払いスミの分。

七月十五日に、新しく請求をうけその一部分を支払ったのの内わけは左のとおり