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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

一月二十四日

六芸社の本のなかで、小説的現実と云われていること、描写で追求しなければならないと云われていること、いろいろ又味い直し、この筆者の芸術的感情の本ものであること、しかし歴史の中では、いつも全面を万遍なく云い切れないということなども感じました。作家として、この筆者の芸術性を具体的に示す責任を感じるわけです、いつも感じること乍ら。ではどうぞお元気に。二十三日にね。

一月二十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

一月二十一日  第七信

本当は仕事しなければいけないのですが。ね、こっちのペンをもっているくせに。御機嫌はいかがでしょう、寒さもこんなに乾くとあらっぽくていやですね。こんな冬にはやっぱり、春のような冬とは思えないでしょうね、きっと。

ゆうべも、二十三日にはどうなさるかしら、そして自分はどうしようかしらと思いました、夕方からは座談会があって出かけます、花を朝たっぷり買おうと思います、それからそちらへ行って玉子と花とをあげましょうね、そして、どうしようかしら。あなたもそうお考えですか。それとも考えるまでもなく、という条件でしょうか。こちらには、そこがよく分らないのでどうだろうと思うのです。