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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
一月九日
と何か日本の飛行をかいた本とくらべて何かにかいて見たいと思います。文学としてね。
きょうはどっさり勉強しなければなりません。もううちの正月は終りです。夜は栄さんが仕上げた小説をもって来るでしょうし。
二十八日のがきょうついたところを見ると、私の二十八日夜の分もあなたのところへはきょうかあしたのわけでしょうね。
きょうはどうかして眼がすこしマクマクします、春のように。
これからの仕事が終ったら、築地を観てその印象をかきます、芝居も久しぶりです。芝居は大した景気だそうです、一般に。楽まで売切れとか。柳瀬さん年賀状をよこし近々箇展ひらくとか。光子さんまだアメリカなのでしょうか。どんなにしてやっているのでしょう、変に腕達者にならなければいいけれど。旦那さんそれでなくても売れる画のこつがわかりすぎている傾き故。
では、どうぞどうぞお大切に。シャツなしのところへお正月の挨拶を。
一月九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
一月九日 第四信
きのうからひどい風ね。凧のうなりがそちらでもきこえましょう? どうしていらっしゃるかしら。寒くなったし。風邪は引いていらっしゃいませんか。