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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
きっとそうだったのでしょう、おなかでくたびれていらっしゃるし。ずーっと体を曲げて立っていらして。体の工合のよくないとき、いつもそうなるのね。それで私にわかります、ああきょうはどんな工合かということが。どうかよくお休み下さい。単衣もう送りましたが。
十日のお手紙かえってみたら着いていました。ありがとう。そちらへ行ってやっとすこし休まった気になって、かえって拝見して、ああ家へかえって嬉しい、嬉しいとつづけざまに云いました。ところで、どう? 島田からの第一の手紙、つきましたろうか。
四日の御法事のことや六日の御婚礼のことや、くわしくお話したいから、又もう一遍かいて見ます。もし先のがついているにしろ、きっと全部同じというのでもないからお読めになるでしょうし。
こっちを三時の「さくら」で立ってね。島田へは朝八時何分。駅に浴衣がけの達ちゃんが出ていました。体なんかすっかりがっちりしてね。出る前からみると恰幅がついたというところです。店の外へお母さんが、おお来てあったと云って出ていらっしゃり、家へ入って見ればもう河村のおかみさんその他ふじ山の婆さんなど来て御法事料理をこしらえている騒ぎです。