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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

見ていて気の毒で可哀そうよ。それから十時すぎうちへかえりました、やっぱり髪結がついて。

やれやれという工合で下でお茶づけをたべ、達ちゃん二階へゆくのに何かばつがわるそう故、指環出してやって、これもってってあげなさいと助け舟出してやりました。

七日の朝は若い二人とも機嫌よい笑顔でようございました。お嫁さんは御飯のとき一寸下へ来るきりなの。そして夕刻から髪結が丸髷に結ってやって、又きのうの式のときそっくりの大した装をして、お母さんもそのなりをして、提灯つけて組合の家々をまわりなさいました。そしてかえって来てお嫁さんは髪を洗い、八日の里がえりの準備です。大したものでしょう? 全く飾られ、見られるための結ったり、といたり、着たりぬいだりです。ふだんだと式を家でして、そのまま夜通し客がいるのですってね。そして朝はもう女客、夜男客というのだってね。そういうお客は秋だそうです。そのときまでにお支度(キモノ、タンスその他)するのだそうです。

八日にお母さんと三人玖珂まで行って、そこから湯野に出かけたわけでした。

友子さんという子は可愛いひとよ。眼が三白っぽい(きっとそれが魅力なのよ達ちゃんに。