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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
ああいう仕事するひとだから、こんなことようしまいと思っちょったらどうして上手でと、東京へ行ったとき何をたべたというようなお話で、お兄さんのお嫁さんも決して東京の奥さんたるコケンをはずかしめぬというわけです。岩本の小母さんはこま鼠で私は動かない。〔中略〕私は見物という役をひきうけます。どんな役者だって見物がなくては張合いないのだから私は見物という役を買いましょう。旅費をかけてはるばる来た見物だから、小母さま張合がおありでしょう、と笑うもんだから仕様ことなしつれ笑いでね。マア、そんな小風景もあるわけです。寝てもおきても人のなかで、私は苦しいから、ちょいとすきがあるとサッカレーの「虚栄の市」よんで。そのこと書いた手紙はつきましたか?〔中略〕
その七日の近所まわりのおかえしと称して九日の夜にはゾロゾロお寺へ詣るように(これは達ちゃんの形容)御婦人連がお嫁さん見に来ました。
島田もお米は混合よ。割合が東京と逆で、外米は三分です。こっちは七分だが。でも初めのうちは特別に白のをたべましたが。あなたのおなかは外米が消化よくないので故障しているのではないかしら。麦だといいのですけれどねえ。