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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

その点不明瞭ですか? あれをよんだ女のひとの何人かは、異性の間の友情が、ああいうものであってはつまらない、と云ったそうです。その位、女の社会感情は狭いのね。公人としての同僚感と、その同僚のうちから友情が見出されるということは直接同じだとはしていないつもりですが。同じでないからあの文章の中で、同じつとめに働いている同性や異性の間で、同僚として顔をつき合わしていても、ちがった利害の対立におかれる仲間の方が多い、その中で、共通な生活態度が見出されたとき、それは友情となるが、それがすぐ恋愛的なものと混同されて、友情そのものとして成長しにくい場合が多いということを主張しているわけなのですが。きっと整理が不足しているのでしょうね。もしそういう印象を与えるとすれば。同僚感というものを、生活態度の共感という範囲に限ってだけ云われなくても、それは自然でしょう? もしそう云われれば、その同僚感において友人として必要な人、そうでない人という区別も生じないわけですから。同僚感というものは友情より広汎な、内容の錯交したものでしょう。

しかし、これについて書かれているいろいろと複雑な心持、ヒントは非常によく感じられました。