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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

の地図だけお送りして見ましょうね。『キング』の方には中国の部がありますが、ヨーロッパの方は特別なよさがなかったので、先ず『年鑑』を、と思った次第でした。

桶屋の娘さんのことについては御話いたしました通り。米のことが出ましたね。この頃の話題です、どこでも。

一ころ大変ひどくて、お米少々に甘藷を一貫目もって来て、このイモを買ってくれなければ米はおいてゆけないと云ったような町もあったそうですが、近頃ややましになっています。うちは幸、あさかの方からのをつかっていて、直接そのうきめは見ませんが、県外輸出を禁じているので送り出しが自家用でもむずかしくて一俵は送れないようです。半俵ぐらいだそうです。うちは古くて、私の名づけたクサレ米をたべています。去年とりよせてあった俵で、そういうひどいのに当ったわけです。でも、どうやら間には合って居ります。炭は、あっちこっちに救援で、佐藤さんのところ、中野のところ、稲ちゃんのところと一俵ずつわけました。

石炭が問題です。この頃は倹約で二日つづけてお湯を立てては二日ぐらいおくのですが、疲れるとこの二日がなかなかもちにくうございます。