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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

その代り毎日いくらかずつ仕事をいたします。ダーッとやって、ダーッとやすむ式でなくなる傾向ですし、これは大いに良好な傾向です。

お手紙の小説のこと、全くそうね。小説というのは変ね、本当に。この頃の小説は、しかし小さき説をなす類さえ少い次第です、只話している、或は喋っている、そういうのが多いし、そういうのが迎えられます。

写真のことも、やはりいろいろと可笑しい、だって私は十二月初めからこの間まで、あれがそこにあるということで心をなぐさめられていたのですもの。可笑しくて腹立たしい心持です。赤子のはね、まだとってないのです、とりたいと思うし、そうしたら、どうしたらいいでしょうね、というわけなの。太郎とアカ子といろんなところでとった写真をおめにかけたいと思います、あの門、この門、この道、というようなところで。きっと面白くお思いになるでしょうと思って。

起床のことは大威張なのですけれども、読む方はペコペコなの。二月は50頁。三月に入ってからは迚もで、やっと十三日から、まだひどい貧弱ぶりです。決して逆転してしまうことはないのです。でも、どうぞどうぞあんまり眼玉をグルンとお動かしにならないでね。