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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
一月四日
(二日のつづき)
あのね、お正月らしい色どりにこの封筒へ第一信入れようとしたら、厚くなって入り切らないので、このしっぽはこれでおやめにして、薄いうち、こんな封筒おめにかけます。子供だましだけれど、でもね。
五日に『文芸』二月号しめきるので、私のお正月もきのうだけというようです。急に寒くもなって人の出足はにぶいようです。
ではこのつけたしはこれで。四日に一寸参ります。どうしようかしら。でも玉子のお挨拶だけにしておきましょうね。出ていらっしゃるにも及ばないのだし、さむいさむいし、ね。ねまきの袖を凧のようにして、さむいさむいと仰云るのおもい出した、では。
一月四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(六義園の写真絵はがき※(ローマ数字1、1-13-21)※(ローマ数字2、1-13-22))〕
一九四〇・一月四日。きのう林町へ年始に出かけましたが、余り天気もおだやかでいい心地だったので、駕籠町のすこし手前で不図六義園の庭を思い出し、急におりて一めぐりしました。なかなかいい散歩場で多賀ちゃんと二人およろこび。ふらふら歩いてから又電車にのって、林町では歌留多という珍しいスポーツをいたしました。