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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
天然痘ひどいこと。種痘しておいて本当によかったと思って居ります。お母さんからのお手紙で六月六日にはそちらのこともあり、もし二三日しかいられないようなら却って寂しいから、せめて十日もいられるようにして来られるとき来てくれればよいとのことでした。今のところはまだはっきり申せないわけですね、何も。それから、達ちゃんの健康のことよく申上げましたら、あなたからもお話がありましたって? よくそのようにするとのことでしたからようございます。大分出発のときもおっしゃっていられましたが、それはハイと云わずには居られませんもの。でもはっきりお胸に入ってようございました。野原の方のことは、私は何もふれません。
ああ、お菓子は紅谷で(神楽坂)ワッフルをお送りしました。あれはもちもよいから珍しいでしょう。隆ちゃんに送るものも近日中にすっかりいたしますから。今木綿のキレがないので、カンヅメ類を送る包装がうちで出来にくいのです、袋を縫っていられないから。だから三越ですっかり包装させて送ります。
どうかいろいろのこと、お体に無理にならないように。やっぱり寝汗おかきになりますか。