轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
ねだんはまだ不明。この頃いい絵が見たくて。すこし暇になったら上野の博物館へでも久しぶりで行って見ようと思います。この部屋の額と云えば、机に向って正面の左手の三尺の壁のところに原稿紙にかかれた字がかかっているの、知っていらっしゃいますか? あのスケッチにも入っている筈です。リアリズムの創作方法について書かれたもののうちの一枚です。6という番号が余白にうたれていて。この部屋へ入るひとは友達ではごく近い四五人きりです。ダイジダイジなわけよ。
着物のこと、気候の不定なとき私も気が揉めます。この間うちは、ああ、あついと云った次の日、どうしたんだろうきょうの寒さ、そう云って羽織を着るようでしたものね。でももうこの調子でしょう。
本についての家憲はお笑いになったでしょう。何となし書いていらっしゃるときの表情が浮びます。更始一新的行事、というのは全くそのとおりでしたし、そのことで遺憾は更々なしよ。ただ、この頃は古本が実にないし、それでマアあんなことも云って見るというようなものです。私の批評をかくということは、これはどういうのかしら。今の条件から自然になったのですね、あなたがおかきになれば私は安心して書かずにいますから。