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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

けさ書き初めをいただきました。(六日づけ)ありがとう。風邪をお引きになったのでもなかったのね。そのことを主に心配していたので安心しました。

私のかぜは随分グズグズでしたが、それが今年の風邪の特色らしくて、やっと昨今大体全快になりました。私は、体の条件で、すこしわるい機会に引くとそのかぜは迚も永くつづくのです、もう大丈夫故どうぞ御安心下さい。多賀ちゃんも元気です。島田の方も御元気。達ちゃんと同じ石津隊のひとが(同日に出た人)先日かえりました由。そして三月ごろはかえれるというそうです。段々そんなこんなでお母さんの御希望も具体性が加って来て、さぞおうれしいでしょう。私は本当に達ちゃんの顔を見たら安心します。そして、私たちは仕合わせであったと思います。隆ちゃんはどこか南の方でしょうか、今、日本の九月十月の気候のところにいるそうです。さむいのは可哀そうですが、それはマアいいこと。ハガキで例の如くわかるのはそれだけです、それから丈夫でいる、ということと。お嫁さんのことその他、おっしゃるとおりね。こちらで人が見つけられないのですから。勿論私は直接何とも云えないから、ただあなたにお話しするわけなのですが。