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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
日本評論社の現代文学読本(何人かのひとと一緒の)案外によく出ましたって。やはり又増刷した由。一ヵ月で珍しい由。しかしこれは版権はないのですから。
明日で金星堂の方も刷りにかかります。文芸評論の原稿もわたしずみになります。そして、中央公論社にわたしたら吻っとね。〔中略〕
達ちゃんたち、組合と近所の女のひとたちをよんで秋にお祝をいたしますそうです。お砂糖が足りなくてこまるそうですが今回はこちらでもどうにもなりません。
山田忍道の店[自注7]も、先生の気合から物をつくる術はないものと見えて、あの日本橋の角は貸事務所か陸軍病院になりそうだそうです、伊勢丹もやはり。その他この暮にはいくつかがしめるそうです。つとめている人たちはまだ知らないのでしょう。
島田から炭お送り下さいました。これまでは一俵二円でしたが四円よ。あっちの価もそうなのね。今年の冬子供を生む人は今からハラハラです。
この頃の夜のしーんとして圧迫する気分はそちらも同じでしょう? 何だか却って落付けません。今日まではうちのあたり割合しずかですが、夜なかどうかしらと云っているところです。うちの方は上り屋敷の前の空地へ避難するのです。