轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

十月六日

私はどうかしてすこし風邪気です。勿論大したことなし、そしてね、バカでしょう、ゆうべは秋刀魚のトゲをのどに立てたのよ。秋刀魚の骨は細くしなやかで、御飯かためてのんでもなびくばかりでとれなくて、痛いよりくすぐったくてそれは妙なの。困った揚句、喉に薬つけるような綿棒こしらえてかきまわしてフーッとやっととれました。そのときよだれを十日分ほどこぼして勿体ないことをしました。よだれはこの頃大切よ。思わず出るような美味いもの減りましたから。おいしいもの、おいしいもの。私は、ああ美味しいと歎息して、あなたがそんなにおいしいかい? と仰云ったこと思い出しました。

[自注6]二葉亭のあの煩悶――文学は男子一生の事業に非ずという彼の煩悶。

[自注7]山田忍道の店――日本橋の白木屋。

十月六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

十月六日  第六十八信

十月三日づけのお手紙、きのう、ありがとう。

土曜日に朝ゆけたら行こうと思って、ああ申上げたら、金曜の夜中フーッフーッで目をさましてしまって朝おくれて目をさましたので失礼しました。それでも、このまわりには何も落ちなくてよかったこと。