轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
自分に対していい批評家であれたら、作家はどんなに育つ力をつよくもつことになるでしょう。作家は従来いつもガンコに主観的です。昔式の作家は皆そうね。その範囲で完成している。そういう主観性と対置されるものはいつも世俗的なかしこさで、藤村のように、こういう時代になるとせっせと子供のよみものを書こうというようなことになり、それを秋声が、ああいう人はいいと歎息してながめることにもなります。藤村の童話は、チャンバラよりは、それはよいでしょう。でもね。秋声がそう歎く歎きにはともかく現代の文学の歎きがこもって居ります。藤村がそういうところへ流れ出してゆくことには、やはり只よりましだ、結構だと云えぬ、すかんところがあるわけです。面白いわねえ。
十二日のお手紙、改った気持になり、同時に極めて謙遜な心になって、頂きます。自分とすれば一生懸命だおれをしていた部分が今日はっきり見えます。いろいろな過程をとおってそんなに一生懸命倒れしていたことも今は活かされてはいるけれど。これまでの何年間かのものが、やや結実しかかっているとは思えます、文学的に。一生懸命倒れの時期は、どうして自分の作家としての弱点がああ自分でつかめないのでしょうね、全くそれは不シギね。