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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
に、やはり「一本の花」及びそれ以後の動きの芽はあるのです。舞妓とさわいでいる、そんな気分についてゆけなくて、とりちらした室の床の間に腰かけて陰気な気分になっている女主人公があらわれていて。しかし短篇集に入れるのは気にかなわないのです。『朝の風』の装幀は本やでやります。別な本のをやっているのを見ましたが、割合あたたかみのある配色で、厚手なところもあり、マアいいでしょう。でも、どんなのになるか。竹村の方は私やはりかき集めは出したくないのです。だからもうすこし待って貰うことにしたいと考えます。今日の世の中で、重複したりかき集めたりした本を私が出したのでは余りですものね。それでいいでしょう? 来年早々ぐらいなら。本屋自分の方の勝手でバタバタしていて、『明日への精神』が出たことも知らないのですって。(竹村のひとは、主人とは別のひとですが)何だかそぐわないところがあって。文学書ばっかり出していて、きっと或る意味では妙な文壇ずれがしているのね。出したくないような気をおこさせるひとが来るのよ、いやね。丹羽、高見、石川なんて作家が、曰くをつけられているから、こっちを出したいんだなんて。