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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
その中には、詩集、歌集、感想集なども入れるつもりです。
明日は、父の五回目の命日です。多賀ちゃんをつれて青山へ行って、どこかで林町の連中と落ちあって夕飯をたべることになりましょう。林町はああいうガラン堂だし炭を不足しているし、そのさむさと云ったらないのですって。この頃一寸行く気がしないようで。さむいのよ、食堂椅子にしましたけれど、ストーブ倹約ですから。小劇場にいるように落付かないの。お正月に一寸つづけて行ってこの頃すっかりごぶさた。
可愛いふっくり美人は、頭のおできがひどくなってホータイですって。可哀そうに。どうもすこし反応が鈍い方だと云って居ります。せかせかした娘よりはいいでしょう。
太郎はあいかわらず。壺井さんのところの妹さん母子、越後の高田へゆく筈のところ風雪ひどく汽車不通。そのため大阪の方は電燈が不足で、大阪高島やは、百匁ローソクを何百本とか並べて商売をしている由。東京でもローソクは大事です。(ウチにもあります)
明日青山へ出かける前、栄さんに眼医者へつれて行って貰います、私たち二人。多賀ちゃんのを念のために診て貰ったら先天性母斑というのですって。