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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

二月二日

ホクロとちがう由。それは放っておくと、いくらかずつ肥大するたちのものの由。自信をもってキズにしないでとってぬって(くけるのですって)あげるが、一つでも線にのこるとその細胞から又出来るからレントゲンでやくがいいとガン研究所へ紹介されました。そのお医者が病気、めったな人にひどい光線あてられて、こんどは視力がどうというのではこわいから、明日二人で行って、お礼やら何やら。ケイオーの桑原さんはこういう風に云ってくれませんでした。医者が社交的だなんて、何てバカらしいことでしょう。私はこれからこちらの人のところへゆきます。

本当に御気分どうでしょう。メンソラを鼻の中におぬりになると幾分かわいた息が楽のようですけれど。お大切にね、呉々お大切にね。

二月二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

二月二日  第一〇信

一月三十日づけのお手紙一日に着きました。二人宛にめずらしいこと。どうもありがとう。二十四日に下すった電報勿論頂きました。二十四日に手紙かいて、それを出しに行っていた間に電報いただいたのだったと思います。きっと又その後すぐつづけてかいた手紙御覧になっている頃でしょう。