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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
何と眠ったでしょう。うれしくって。いい心持で。これで一時ごろねたりしてのことなら私はこんなにホクホクして手紙になんか書かないでしょう。気がひけているわ、きっと。ところが十時に眠ったのですから、素敵だと思います。いいわねえ。自分が可愛くなってしまいました。この間うちの疲れが出ているのでしょう。こんやも又早く早くねるの。楽しみ、楽しみ。可笑しいでしょう? ひどい風だしくたびれるのよ。あなたもお笑いになるでしょう、そしてそれはよかったねとおっしゃるでしょう。
この前の手紙、たった四枚の、あれは手紙にも疲れが出ているようなのでした。書きながらそう感じました。
きょうはチョコンとしてよく眠ってぱっちりして、泉子をつれて、あなたの前へ坐っている、そんな感じ。この感じも大変面白うございます。
きょうはね、すこし仕事しようと思っているのですけれどその前に、すこし、こうやっていろいろの話。多賀ちゃんは今、動物園と有斐閣へ行っているのよ、動物園で面白いグラフィックを売っているの。それを病院にいる健造にやろうと思うの。あしたそちらからのかえりに。八人の子供たちがいるのですって、その部屋には。