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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
家族というものについての感覚がここでは何とひろく、公然とそして社会的な自信をもって扱われ、存在していることでしょう、私は実に愉快に感じました。ここには生活の日常的の明るさが最も合理的なものの上に立って、あきらかに在って、この筆者は私たちのぐるりのような荊妻豚児的家庭の感情ももっていないし、公のことと私のこととを妙に区別した一昔前の新しさもなくて、何と全統一の感じがあるでしょう。この感動は、私が自分で見ききしていた時分には、まだ社会感情として一般にここまで来ていなかったということと思い合わせて一層深うございます。よろこびとは何と合理的で透明でしょう、私たちは何とそういうよろこびをよろこばんと希うでしょう、ねえ。この感動で屡※(二の字点、1-2-22)涙をこぼしました。人間のよろこびは、何と大きくひろく動くものとしてあり得るでしょう。そして、ある挨拶をおくる言葉を、心からあなたにもあげたいと思って。この本のなかにはどっさりの忘られぬ響があります、ね、そうだったでしょう?
今年のお正月は、こういう本ではじまって幸先よしの感じです。私はこの本とサンクチュペリの「夜間飛行」