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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

現代のそういう問題をかいて見ようという次第です。三十枚では無理? こんなことでもフランスあたりと若い女の歴史の経過しかたが大変ちがって、桃子はそのことも考える、そういう娘です。題はまだないの。

さて、ここまで二十日にかいて、二十三日にこの小説かき終り。「夜の若葉」という題です。三十四枚なり。

きょうはもう二十八日なのですが(この間に二冊の本の原稿整理)、この手紙の前に十九日にかいていると思いますが、どうかして私の方の手帖にはかきこんでないのです。着きましたろうか、尤も十九日には、二種類の原稿をかいているのですが。どうも余りごたつくので。でも十八日は日比谷でしたからかいたわけねえ。はっきりしないなんて、御免なさい。

きょうは上気したお顔でしたが、大分お疲れになったでしょう? うしろから見ていると、背中の左側に力が入って何だか気にかかりました。本当におつかれでしょうね、呉々お大切に。きょうは、初めての日のあとに私が手紙で書いた感想を益※(二の字点、1-2-22)切実に感じました。文学においてもリアリスムというものが、どんなに明確、客観的な土台の上になければならないかということに通じた感銘です、そして、私はつよくアダプタビリティというものの本質を覚りました。