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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

九年以後、芸術性をよりどころとしていた純文学が、どんなに自我を喪失して、文学以外の力にその身を托すようになったか、そのことからどんなに卑俗化、誤った功利性への屈伏、観念化が生じて人間の像が消えて来たか、その再生が今日と明日の文学の課題であるという現実の必然のテーマがあるわけです。こういう歴史の部は、塩田良平氏ともう一人とで持って(初めの方)昭和に入ってからは私一人でかいたわけでした。

ほっとして眠たいような気分。寿江子がうしろのベッドに横になって本をよんで居ります。たかちゃんは病院から林町へ。

明日は、金星堂の本の表紙のことで松山さんのところへ行かなければなりません。それから午後は座談会。月曜日はそちらへ参ります。島田、十日間、全く人の中でしたろう、そこへかえると仕事の用事で又人々で、閉口して、本当に襖をあけて、となりの部屋へ行って(動坂の模様よ)黙って頭くっつけて、美味しいボンボンをしずかに口の中から心の中へと味いたさで苦しいようでした。立つ前フーフー仕事して行ったから、休む間なしということになって。

もうこれから、すき間を見ては眠って、この気分を直します。