轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
それから、もう一つ忘れたこと、それは、きょう手拭とシャボンとをお送りしたことです。その手拭は麻ですから夏は使い心地ようございます。麻の手拭は不思議にいくらギューギュー汗の顔を拭いても皮膚があれません。それにね、その手拭の両方の端に一寸した小さい花模様があります。その花の名は、よろこびの花、というのよ。暑いでしょう? ですからそんな花のついた手拭を是非つかって頂きたいと思って。もしか今つかっていらっしゃるのがあっても、それは暫くおあずけにして麻の方を使って下さいまし。どうぞ、ね。その簡単ないくらか滑稽な花模様から、きっとあなたはいろんな可笑しさや面白さをお感じになれるでしょう、その花はそんな恰好をしてついているのよ。心は一杯で手足が短いというような花なの。可笑しいわねえ。
『文芸』の最後のところの下拵えのために来ているのですけれど、所謂輩出した婦人作家たちのものをよんでいるわけですが。どうも。大谷藤子という人は、真面目でいいけれども、その真面目さがまだ活力を帯びていないし。美川きよが小島政二郎とのことを書いた小説をよんで眠たくなったのですが、どうも閉口ね。