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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
水枕なんて夢物語の一つでしょうねえ。
美術刺繍の花弁の形、なかなかいいでしょう? やっぱり夏寒む的でしょう。
ああ、それからこの間のシャボンはアセモのこと考えてホーサン石ケンです。いくらか、普通の石ケンよりはましでしょう、あれがなくなった頃又お送りします。夏はああいうのの方が刺激がすくなくて且つ皮膚のためにようございますから。
本の(河出)題のこと、いろいろありがとう。私はこういう風に、あなたがいろいろと考えたり相談にのって下すったりするの、大変にうれしゅうございます。季節感のことは、本当ね。よほど何かそれ自身含蓄のあるものでないと、やはり季節の感覚だけ浮きますから。
私はいろいろと考えて、一種微苦笑を洩しています。本屋が、ガサゴソいろんな妙なものでひとわたり儲けて、さて、すこしと気が落付いて、私のものなんか出すという気になる。すると、そこには又別の条件が生じているというような塩梅で。どうもなかなか活現実ですから。
『書斎』のこと承知いたしました。
作家の生涯が、時代、環境、家庭、資質様々の綜合ということ。何と痛切に実感するでしょう。きょうも『朝日』