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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

月謝五円五十銭、入学金二円、本代二円五十銭也。月謝は東京では皆おなじです。面白そうにしているから結構です。午後一時―三時半。時間もようございます。三ヵ月。

今回の『文芸』の仕事は、私たちにとってなかなか忘れ難いものとなりました。とにかく一年の上つづけて来た仕事でしたから、かき終って何だか余韻永く、なかなか眠れませんでした。ヴェートウベンなんかのシムフォニーがフィナレに来て、もう終ろうとして、しかし未だ情熱がうちかえして響くあの心理のリズムは文字で表現されるものにもあって、終りはなかなかむずかしゅうございました。題は「しかし明日へ」というのよ。婦人作家の成長の条件は益※(二の字点、1-2-22)困難となって来ています。けれども、

「女性のかなしいくらいふしぎな責任。

それは絶望してはならないということだ。」

そういう永瀬清子の詩をひいてね。とくに日本の女性、日本の文学やその他の芸術の仕事をする女性は絶望してはならない、雑草のようにつよい根をもたなければならないという終りです。

『乳房』のなかには、やっぱり「小祝の一家」入って居りません。そうでしょう、いくらユリはあんぽんでも、覚えている筈ですもの。