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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

いかが? 小坊主は。親たちに似ているのは何と可笑しいでしょう。赤坊は物理的に私にだかれにくいのよ、そのわけは、私はこのように円いでしょう、赤坊だって丸いでしょう、円いものと円いものは接触面が全く小さいのよ、だから双方工合がいいということに行かないの。これも可笑しいでしょう?

あれから私がおしめの袋ぶら下げて家まで無事送り届けてかえりました。そして家へついた途端すっかり眠くなりました、赤ちゃんづれは気が張るのねえ。

七日づけのお手紙と八日のつづけて十日に頂きました。七日の、開巻第一に詩話がのって居りました。「ゆあみ」の話が。八日の午後は、すこしおそいおひるたべて吻っと一休みしていたら二時なのですもの。ぱぁーっと立ちあがって、いきなり着物きかえて、出かけました。全くもたない状態となって。そしたら八日に手紙かいて下すったというので、大変満悦なわけでした。

「朝の風」は十日にかきあげ、ひる前に共同へ届けました。重吉とサヨが現れます。絵画的な周囲の光景風景の感情、その推移と結びあわされつつ、サヨの重吉への心持を描いたものです。いろんな瞬間の。そして、その瞬間瞬間のつみ重りの間にサヨの感情の成長してゆく姿を。