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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
よくそう思うの。そこにある手紙の束のなかにある私の姿、私たちの様子、どんなに次第によくなってきているでしょうか、と。どんなに段々と夫婦らしくなって来ているだろうか、と。単純なものから複雑な甘美さをもちつつあるか、と。
ああ、きょうはどうでしょう。まる一日あなたと暮しました。
この頃こんな大部な(!)長篇的手紙はじめてね。そして、私目玉のつれるわけ今わかりました。だってこんな細かい字、こんな全心の字、この位かけば目玉だってくたびれるわけですもの。
これも私の十七日のおくりものの一つです。
十七日には、寿江子と佐藤さん夫妻を赤坊ごとよんで何か皆でたべでもしましょう。私がおかみさん役してやって愉快に遊びましょう。
十八日が臨時大祭ですから、市中はごったかえします。そちら、お休みがつづくのではないかしら、よそは休みます。
高山の本の表紙は松山さんにたのみます。河出のは先の方でたのむのですって、誰かに。中公のは誰にしましょうね。これは絵が扉(表紙の裏)にだけあって、表は何か模様のない落付いた色の紙なんかいいのだけれども。表はじみで、表紙の裏の一寸派手なのいいでしょう?