轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
あれね、あれも一種の一生懸命倒れよ。この頃そう気付きます。私は小説をかくときは一番ぴったりしたテーマでしかかけないようで、そのために妙に自分で自分の足の先にせきをつくりつつ進行するような意識の塞があって、これはフロイド的現象なのね。これは非常に有害です。小説における私の神経衰弱をひき出します。一生懸命倒れの雄だろうと思います。だから、これからずっと相当小説ばかりかく決心をしたのは、健全にしかしその意識の栓をぬいて溢れさすためです。フロイドは意識のなかのそういうものを性的なモメントでばかり見ましたが、それは彼の彼らしさです。人間生活の現実は遙に多様で、フロイドのとらえ得なかったモメントを、或る作家は歴史的に感じるのです。人間は生物的生活ばかりでないからこそ、云わばフロイドが解いてやらなければならない女の心理的重圧もあるのだから。
そういう意味で、私は来年へかけて出来るだけ努力して、小説もある精神の栓を内部的な沸盪でふきとばしたものにするところをたのしんでいる次第です。
こんな作家としての心の生理、面白いでしょう? 同時に何か教えるところもあると思います。