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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

私はそう思うの、実に女らしい本だと。よかれあしかれ。ところが、詩人たちは、詩人たちの間での彼女は紅一点ではないのですって。女史というのですって。つまり女らしくないのですって。面白いでしょう? 青野季吉をはじめ、どうして男のひとたちはこうもボリュームをもっていないのでしょうね。それだもんだから、「今のような時に文学なんかしていていいのかと思う」とか、「自分のようなものは文学でもしているしかないと思う」とか、いやなことを云うのですね。

文学と云えば、晨ちゃんがこの頃すこし体がましになったそうです。そして、短い原稿をよこしました。文学についてかいたものです。よんで欲しいと。もしよかったら、そういう勉強もしてゆきたいと。まだあと一年ほど休養の由。よくなったと云っても、三十分ぐらい散歩していい位の由。ものなんかかいていいのかしらと思います。

ではここまでにしておいて、かえってから又つづきを。原っぱのお話いたしましょうね。

さて、原っぱへ日向ぼっこに出かけた三羽の鵞鳥の物語。

裏の電車で三十分ほど行くと大泉学園という駅があって、その奥が私の気に入っている高原風な原っぱです。